陰陰鬱々 | 落とし穴

陰陰鬱々

SHUZI


先週、サボったので今週は習字に行きました。


習字業界も結構、不景気で生徒が全然いません。


私の先生のところなど、私が行く時間帯はいつも


私一人しか生徒がいません。(先生、食っていけるのだろうか?)


ところが、今日はめずらしく他の生徒さんが訪ねて来ました。


先生に作品を見てもらいに来たようでした(どこかに、出展するらしい)


大体年齢は、55歳前後くらいでしょうか。


筆を動かしながら、先生とその人の話を聞いていると


次のようなものでした。


生徒さん:「いや~、今日、会社を休んで書いてきました。」


先生:「へぇ~、そっか、ボーナスをもらったから、休んじゃえって感じかい?」


生徒さん:「いえ、私達は派遣社員なんで、ボーナスないんですよね。」


先生:「ああ、そうなんだ。」


書道の作品を書くために、会社を休むというのも凄いと思ったのですが


派遣社員で、ボーナスがないというのはちょっと気の毒な気がしました。


勝手な推測なのですが、その方は、きっと営業職なのでしょう。


終始、ニコニコしてらっしゃいました。


そして、どこかその笑顔は寂しく見えました(←あくまで勝手な想像)


『ああ、俺も社会に出たら、いずれこうなるのだろうか?』(←大きなお世話)


と、急に寂しい気持ちになってしまいました。


そんな、邪念にまみれた状態で良い字が書けるはずがありません。


それでも、仕方がなく書いた字を添削してもらいに


先生のところに持っていくと・・・・案の定。


先生:「宇佐見くん!!・・・」


・・・・流石、先生、字を見ただけで、私の迷いを見破られたか・・・


先生:「・・・今日、調子良いじゃない!!どうしたの?」


え~~~。


結びに:大切なのは経験よりも、スピードとパワー。


     (by ハイロウズ)