楽園 後半 | 落とし穴

楽園 後半

ERUMO


私が幼い頃は豊島園まで、1時間近くかかったのですが、

都営大江戸線が、開通したおかげで

豊島園までの距離がグッと近づき、20分ほどで到着です。

チケットを購入し、入園。

いざ、花園へ。

ところが、全然お客がいません。

巨大な絶叫マシーンにも、2~3人乗っているだけという有様です。

驚くほどの錆びれっぷりに

私達は、段々心配になってきました。

本当に、水着のオネーちゃんは見られるのだろうか?

ファミリー連れしか来ていないのじゃないのか?

一抹の不安を抱えつつ、私達はプールゾーンに入りました。

暗雲たる面持ちで水着に着替えて、

ロッカールームから一歩外へ出ると・・・

おおっ、ハレルゥヤァ・・・・

そこは、色とりどりのビキニの蝶たちが、飛び交う


・・・・・楽園でした。

興奮した主催者の友人Kは、おもむろに

握ったコブシを腰に当て、そこから前へ突き出すように

正拳突きを繰り出しながら、

オッパイ♪ オッパイ♪ オッパイ♪ と、口ずさみ前進して行きます。

今の彼は、さながら楽園に足を踏み入れた密猟者そのもの。


間違いが起これば、リアルに手が後ろに回るでしょう。

愚かな友人に呆れつつ私も、オッパイ♪ オッパイ♪ 


と密猟者に。

ただ一人、保守的な友人Iだけは行進に加わらずニコニコしながら

オネーちゃん達を眺めていました。←一番顔がエロかった。

性に狂った男達の行進もいよいよ、終わりに近づき

美しい金魚たちが泳ぐ、「流れるプール」の手前まで来ました。

突然、主催者友人kの行進が止まりました。

おお、好みのオネーちゃんでも見つけたのかと、彼の目線を追ってみると・・・

そこには、なぜか観音菩薩が数体・・・・

そう、仁義なき方々がプールサイドに居られました。


凍りつきました。


あのまま、アホな行進を続けていたら仁侠道を

教え込まれていたかもしれません。

違った種類の汗が流れました。

そちらの方々には、できるだけ目線を送らないようにして

そそくさと、プールに入り

流れに身をまかせ静かにその場を後にしました・・・。

結びに: 久々に昔なじみの3人で遊んだので

      楽しかったです。