最近の私 パート2
工場に入り、2週間経ちました。
初めの内は、張さんが私を連れていろいろ
説明してくれたのですが、1週間も経つと
張さんに「分からない事が、あったらいつでも聞いくんろ。」
と、言われ自由に工場内を歩き回って良くなりました。
最初の一日は、退屈しなかったのですが、2日目からは
一通り工場内を見て歩いてしまったため、暇になって
しまいました。
工場で働いている人たちに話かけて、いろいろ話を聞きたい
のですが、今の私の中国語能力で、できる会話と言えば・・・
・何歳ですか?
・昨晩、何を食べましたか?
・素敵な洋服ですね。
くらいなものです。
仕事中に、そんな会話されたら
私だったら、そんなヤツ原料を作る樽の中に投げ込みます。
困ったなぁ。何か、私に手伝える事はないかなぁ。
と、歩き回っていたら、ホウキと、ちり取りが目に入りました。
これだっ!と、一瞬で、頭にシナリオが浮かびました。
工場内を掃除して、回る。
↓
張さん(現場監督)の目に止まる
↓
張さん:「おお、掃除してくれてるのか?」
↓
私:「ええ、あんまり汚いもので、つい・・・」
↓
張さん:「ありがとう、でも、良かったらこっちも手伝ってくれないかい?」
↓
私:「ええ、私で良ければいくらでも・・・」
↓
ガシッ(握手) ここで友情が生まれ、工場の一員として認められる。
↓
その後、意見の相違、裏切り、決別、相互理解、夕日の丘、の手順を踏んで
↓
帰国の日、飛行機から地上を見下ろすと、
↓
『謝謝、大地、我的好朋友』の人文字が・・・
早速、私は工場内を掃除して回る事にしました。
紙を作っている工場なので、紙くずなどが辺りに
散乱しており、ゴミが無くなるという心配もありません。
一日、二日が経ち三日目の朝でした。
停止中の造紙機の中に入り、ローラに挟まっている
紙を取っていると、
張さんが、私の横で、足を止め何かしきりに語りかけています。
おお、既成事実っ!!ついに物語の幕は切られたっ!!
機械の中から出て、「なんですか?」と、張さんに聞くと
張さん:「危ないから、ヘルメット被ってやってね、後、突然動き出す
かもしんないからローラに手を挟まれないように気をつけて」
うわっ、コワッ!突然動き出すのか?この機械?そんなトコで俺は
ノウノウとゴミを取っていたのかっ?
「じゃあ、頑張ってね」と、親指を立てグッのポーズをして
忙しそうに去っていく張さん。
ポツンッと一人残された私。
「何か他に仕事ないの・・・・・」
と、言うわけで晴れて掃除係(?)の役目に就くことが出来ました。
結びに: 帰りの車の中で従兄弟に
『あんた、最近工場で何をしているの?』と、聞かれ
「機械のゴミ取り」と答えようとしたら
『くれぐれも、機械には触らないでね』
「えっ、なんで?」
『あんたローラに巻き込まれそうで危ないから』
「・・・・・・・・」